さて、TrueEndでもって、この物語は終了です。
しかし、夢の世界での出会いはとても楽しい物でしたね。
またいつか、この夢の世界に戻って来る日が来るかもしれません。
※私が得ていた事前情報は、意味を為さなかったアイテムがエンディング後に意味を持つようになる、というものでした。それ以外はノーヒントでやっておりますよ。
前回の記事
エンディングを見て
止まった心臓を与えると、夢の中で、獏とお別れをすることになりました。
その際に「いつも通りの日が来ますよ」といった意味の言葉を獏から受け取ります。
そして、夢から目覚めると、そこには獏の温かみが感じられる椿が残るのみ。
普段通りの1日ですが、それはつまり、彼女がいないのが当たり前ということなのでしょうか。
TrueEndを見た後で考えると、「病院に入院して普段、あまり関わることがない」から居なくても変わらない、という意味になってきますね。
しかし、そのままだと「私は死んでしまいますから」という風に捉えることもできてしまいますね。
この物語の世界観を作ったものとして、書生さんはシェイクスピアの作品、シャルル・ボードレールの詩集、おそらく「悪の華」、他には「竹取物語」に、プラトンの「饗宴」といったような本を読んでいたようですから、その作品観が夢に影響を与えていたのでしょうか。
「悪の華」は人の誕生から死までを退廃的に表現した詩集です。
獏を名乗る女性の死について察していた書生さんは、女性との別れを竹取物語に例えつつ、いなくなってしまった人を動物に例えていたのでしょうか。
後に登場します「夏の夜の夢」こと「A Midsummer Night’s Dream」は4月末ごろの夜のことを示した作品でもありますね。
そうなると、5/1は五月祭、つまり自然の復活や再生を祝う風習が残ることから、夢の後には復活する、再生することをテーマとしている作品だったのかもしれませんね。
つまりこの作品は、死や別れが隣にありながらも、最後には元通りになる、そんな作品だったと言えそうです。
ノーマルエンドで登場したのは友人と猫(こちらも分岐あり)。
和風の小さな部屋で、本を読み、猫と戯れる。
個人的に幸せな風景が見てとれますね。
友人が居座るのはいただけない、逆にお邪魔しておまんじゅうをいただきたい所です。
おかわりがあると、嬉しいですね。
エンディングを再び見て
「お帰りなさい、私の娘」と語る黒い影。
影は獏に動く心臓を与えました。
エンディングを見る限り、こちらは書生さんが花見をしている最中にみた夢だったのでしょうか。
もしかしたら、本当に夢を追憶し、夢の中に置いてきた獏さんを助けたのかもしれませんね。
そして、病院で目覚めた獏さん。
顔色が悪いことが多いようですから、容態はあまり良くなかったのでしょう。
「病院、心臓、顔色が悪い」とくると、心臓移植を連想させますね。
画像にある「A Midsummer Night’s Dream」は「真夏の夜の夢」(現代では夏の夜の夢と訳されるらしい)という本になります。
この話はpart1の記事にも書いておりますね。
ここでパックと名乗る駒鳥が言っていた「沙翁」というのは、本の作者、シェイクスピアのことを指しています。
この夢物語の語り手、書き手は書生さんだったのです。
その夢の終わり方も当然ご存知のことでしょう。
ええ、復活と再生です。
同じ本が書生さんの部屋にありましたので、もしかしたら書生さんが獏さんのお見舞いに行き、枕元に本を置いて病院の中庭の桜の木下で昼寝をしている。
そんな感じのストーリーが裏ではあったのかもしれませんね。
全体を通しての感想
久々の謎解き系のゲームでしたので楽しかったですね。
私、謎解きに「うんうん…」と悩むのが好きなのですよ。
プレイ後、作者HPを見に行ったところノーマルエンディングの分岐なんてあるんですね。
もしかしたらあの妹も実在する妹だったのでしょうか。
と、言うことは、友人も、妹も、教授も、全ての人が存在したことになり、獏と書生さんもいたことに。
「夢の中だけでも会いたい」という思いが獏と書生さんという関係を通して形を成したのかもしれませんね。
それが叶って、さらには現実でも再び会うことができるであろう二人、どういった関係なのかは分かりませんでしたが、「生きることができる」それだけでも幸せなのかもしれませんね。
そして、このゲームはとても実況しやすかったです。
激しく読む部分も、感情的になる部分も少なく、淡々と物語に入り込んでいくことができるゲームでしたから、私の声質や性格にもあっていたように思いますね。
このゲームを紹介いただけて、感謝!
ダウンロード等はこちら
ふりーむ(https://www.freem.ne.jp/win/game/19829/ )
ノベルゲームズ(https://novelgame.jp/games/show/1705/ )
作者HP(http://num7.oteage.net/hana-arashi/ )
作者Twitter(https://twitter.com/roc_l7/ )
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