そろそろ、「Nonsense name」の意味が気になり始めてきました。
一体何について語られているのでしょう。
前回の記事
今回の考察要素
太字は今回の考察で使用するものです。
- 鍵について、トールとグリフォンは知っている。しかし、誰のものかは判らない。
- 城の人が知らないことに違和感を覚えている。
- レオは昨日は拒否したが、受け入れるような待遇。
- ナナシの森(傾いた観覧車、壊れたメリーゴーランド、鳴らないグランドピアノ、崩れたステージ、沈まないボート、錆びた機関車、焼け焦げた家)入る人を選ぶ。
- ミッドサマーナイト:真夏の夜、空や海にフレイムグラスを使用したランタンを飛ばす。ランタンの中には誰かのメッセージや思い出の品を入れる。
- イースターカーニバル:色とりどり卵を飾る、探したり、食べたり、投げたり、割ったり、壊したりして、色がはちゃめちゃになる。
- 真っ白の本
- オニキスの万年筆、トールの部屋にあった。オニキスは魔除の意味合いがある
- サコッシュ、ダイナが持っていた。なんかの拍子に作るかもらうかしたもの。シンプルでかわいいデザイン。
- マーキングでの移動、グリフォンは「軽率」と評価→異空間を通るあたり、何かしらの危険や不味いことが? 現実的には舞台裏的な場所?
- 「今日は静かだろう。 え?人で賑わっている? 君は面白い事言うね」→アリスにしか見えていない人が?
- 血溜まりを残して消えた「トランプ」と呼ばれる得体のしれない存在
- チャシャ「どうしてこうなっちゃうかな」→アリスがショックを受ける予定ではなかった?
- トランプは死体を残さない、生きた証を残さない、記録に残せない
- 「あの鍵が誰のものか判らない以上、僕らがこれ以上踏み込むのは危険」→住人では対処できない事態?
- チャシャ「嫌いになっちゃったかな?」はこの世界のことを言っていそう
- グリフォン「あれくらいのことで、アリスがこの国を見限ることはないよ」→グリフォンはアリスの見限る限界を知っている、かつアリスはこの世界を捨てることができるという情報。
- チャシャ「そっちじゃない」→考えられる他の候補は、トランプ? →グリフォンは世界を守ろうと、チャシャはアリスの心を守ろうとしている?
トランプと黒い鍵
さて、今回の一番のポイントは「トランプ」と呼ばれる、そこにいるけど、無害と思われていた存在。
この存在が黒い鍵と出会うことで、得体の知れない化物に変化し、襲いかかってきます。
ここで、「自我」が溶け始める、という不思議な表現を使っているのは、「固まっていた思考」が溶け始めて頭が回り始めたという意味とは違い、おそらく、グリフォンの暖かさで文字通りアリスの自我が消え始めている、つまり狂気度が上昇していることを表しているのでしょう・・・か?
この化物はアリスの自我が見ている恐怖、つまり現実的な恐怖であり、恐怖を感じている自我を溶かすことでアリスの精神を恐怖のない夢の世界に存在させ続けようとしている、ということなのかもしれません。
さて、そんなトランプですが、街にも森にもいるという話。かつ、住人の一人に聞いた話から、街や森にいつつも、その住人とは扱われない存在のようですね。
しかも、その数は相当数いるようです。
このトランプが何故凶暴化したのか、という話ですが、この鍵が現実と空想の世界を繋いでいる象徴ですので、空想の世界では鳴りを潜めていた恐怖が、鍵を見つけることで現実の世界とのつながりを得て現実の恐怖を具現化している、といった感じなのかもしれません。
そして、この恐怖はまた、アリスを作っているものに違いなく、形は残さないけれども血を流すという表現から、トランプの正体は「アリスの心」であるように思います。
心については記録に残すことは出来ませんからね。
と、なると、この世界はアリスの精神を守るために生み出された想像上の空間であり、現実のアリスは体が竦むほどの恐怖を数多く感じているようですね。
以前考察した通り、この空間を作ったのが父親なのだとしたら、アリスの心を守るためにわざとこのような世界を用意したのでしょう。
アイリス・リフレインにおいても「心を壊しちまうくらいなら、狂ってくれた方がいい」や「潔さが彼女を救う『幻想』なら受け入れてやる。嘘でも、まやかしでさえもな・・・」という発言がありましたので、アリスの心を守るために父親が全力を出している可能性が高いように感じていまいます。
・・・鍵に現実のアリスの全てを封じ込んだんでしょうか。
分からないのは、「グリフォンに温かさがある」というのが人形としての温かさなのか、それとも賢き者という立場を与えられた人間が現実にいるのかということですね…。
血の表現で思い出したこと
城でも大量の血という表現が出てきましたね。
そう、料理と処刑です。
トランプは死んだら姿が残らない、ということは、違うのかもしれませんが、空想の世界における料理と処刑を行う城とは、自身に取り込むべきことと、記憶から消すべき内容を精査しているのかもしれません。
嫌なことを消す(処刑)のは単純ですが、取り込む(料理)には痛みや苦悩が出てくることでしょう。
それが、衛生という観点で語られていたりするのかもしれませんね。
そして、厨房で大量の血液の臭いがしたということは、アリスがくる前日、アリスの精神に膨大な負荷をかける出来事が起こり、それが彼女の中に取り込まれたことを表しているのでしょう。
友好的な者が集う館が人と会うことを拒み、規律を尊ぶ者が集う館が戦う意志を示したといったことからに、現実世界において、親しかった誰かとのトラブル、または裏切り行為みたいなことがあったのかな?
それを取り込んだばかりで、アリスの精神が不安定になっていたからこそ、この世界に入ってくることになった・・・とかでしょうか。
さて、分からないことは山ほどありますが、次回、サコッシュを引き取りに行くところから始まります。
ダウンロード等はこちら
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